「口碑伝説集」に見られる牛に引かれて善光寺参り
その昔、1人の老婆がおったが、ある時、機(はた)を織ろうと考え、川に絹糸を浸していたのじゃった。ふぉっふぉっふぉっ…..
そこへ牛を引いた若者が通りがかり、糸を見るなり行き足を止めて老婆に話はじめた。
「もし!そこのお婆さん。その絹糸をほんの少しで良いので分けてはくださらぬか?」
老婆は不思議しぎしぎ摩訶不思議な面持ちを浮かべながら、しばらく若者をボ〜っと見ていた。
すると突然、堰を切ったように若者へこぅ告げた。
「ちょぃとお前さんよ!一寸の糸(約3メートル)だって手間暇がかかってんだ!タダでなんてやれないよ!」
若者は口を閉ざし、シュンと萎縮してしまったが、突如、若者が連れていた牛が暴れ出したかと思いきや、老婆の絹糸を角に引っ掛けて何処かへ走り去っていった。
老婆は一瞬、慄いたがハっ!と我に返ると、女の尻‥‥ではなく、牛の尻!!を追っかけた。
画像引用先:https://ja.wikipedia.org/
やがて牛は善光寺の中にある堂へ入っていき、老婆も女‥ではなく牛の尻を追っかけて善光寺の堂へ入る。
‥‥と、突然、目の前に急に先ほど牛を引いていた若者が現出し‥‥たかと思いきや、なんとぉぅ!
たちまちのうちに慈悲円満の如来へと姿を変え、堂の奥へスぅ〜と、煙が失せるように消えていった。
老婆は先ほどの若者が如来の変化した姿だったことを悟ると、その場にひれ伏して如来を拝した。
こぅして老婆は善人になることを如来へ誓った‥‥‥という話。ちゃんちゃん
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