実はなんと!長野善光寺で光るコケ、つまり通称「ヒカリゴケ」という世にも珍しいコケが見られると聞き少し調べてみました。
しかし残念ながら厳密には長野善光寺ではなく善光寺から車で約1時間20分ほどの山奥にある「岩村田」という場所と岩村田からさらに2時間車で移動した先に位置する「光前寺」と言う寺院にヒカリゴケが生えていることが分かりました。
これら2つとも名古屋方面、大阪方面からお越しの方であれば善光寺からの参拝帰りに立ち寄ることができます。
以下では岩村田と光前寺のヒカリゴケについてご紹介しています。
是非!スケジュールの練り直しの準備をご検討ください!
ところで・・ヒカリゴケとは?
ヒカリゴケは環境省によって絶滅危惧種に指定されているコケで、高山の洞窟など涼しく湿った場所に自生します。
ヒカリゴケがその名の通り光って見えるのは、細胞が光を反射するからです。
従って、曇っていて日光が弱い時は、あまり光って見えません。
陽が差している時に、見る角度を変えながら観察してみましょう。
ただし、光前寺境内は国の名勝に指定されており、ヒカリゴケも絶滅危惧種なので、コケ自体に触れたり、採集したりしてはいけません。
ヒカリゴケを発見したのが驚愕の「あの人」だった?!
これはあまり知られていませんが、なんと!ヒカリゴケを発見したのは長野県の野沢北高校の学生だったということはあまり知られていません。
発見したのは1910年(明治43年)で下校途中にたまたま洞窟に入った所、摩訶不思議な発色するコケを発見したとのことです。
その後、専門家の鑑定を経てレッドリストの絶滅危惧種であることが分かり、すぐさま国の天然記念物に指定されました。
この少年が発見した洞窟ですが、日本で初めてヒカリゴケが見つかったということで天然記念物の指定を受けた後、鉄柵が設置され禁足区域になっています。(鉄柵ごしからヒカリゴケを観ることはできます。)
その後の調査で実は日本全国でも長野県がもっともヒカリゴケの繁殖が著しい地域であることが明らかにされています。
岩村田のヒカリゴケ
岩村田のヒカリゴケは「岩村田小学校」という学校の裏手の小山の中にあります。
そしてこの岩村田のヒカリゴケこそが上述した学生が発見した洞窟であり、日本で初めてヒカリゴケが発見された場所でもあります。
洞窟はそれほど大きくはなく6mほど奥にホンノリ光る物体が見えます。つまりこの物体こそが「岩村田のヒカリゴケ」です。
はじめてヒカリゴケを観る方であれば「あっ!ホンマに光ってる!」と思わず無意識に呟いているハズです。
ヒカリゴケはデリケートな生物ですのでわずかな環境の変化でも枯れてしまい、2度と生えてこないので厳重に管理されています。
国指定天然記念物登録指定年月日
1921年(大正10年)3月3日
岩村田のヒカリゴケの見頃
例年6月頃
岩村田のヒカリゴケのお問合せ先「佐久市文化財課文化財事務所」
住所:長野県佐久市岩村田上の城
アクセス
自動車利用:佐久ICから 2km 5分
鉄道利用:JR小海線岩村田駅下車→徒歩25分
善光寺から国道19号線・国道117号線を目指します。
後、県道35号線へ入り松代町西寺尾から上信越自動車道に入ります。高速佐久ICで上信越自動車道下車、御代田・佐久市街 の標識に従って県道9号線を進みます。
長野善光寺から岩村田までの所要時間と距離
- 所要時間:1時間4分(車)
- 距離:66.4Km
光前寺のヒカリゴケ
ところで・・光前寺ってどんなお寺?
光前寺は正式には「宝積山光前寺(ほうしゃくざんこうぜんじ)」と呼称し、平安時代の860年に創建された天台宗のお寺で、善光寺と共に「天台宗信濃五山」の1つに数えられました。
創建時の建物は残っていませんが、本堂や三重塔など伽藍のほとんどが江戸時代以降に再建され、今でも美しく堂々とした姿を見せてくれます。
周囲は樹齢700年とも言われる杉の巨木に囲まれ、広大な敷地全体が国の名勝に指定されています。
ヒカリゴケと共に光前寺の名物なのがしだれ桜で70本のしだれ桜が咲き乱れる様子は圧巻です。
周辺には散歩コースも整備され、森林散策も楽しめます。
拝観料はかかりますが、築山池泉庭園も見事です。
なお、光前寺では、2014年から2020年にかけて、境内の各伽藍や庭園の補修、整備、調査が行われています。
参拝区域に制限がかかることもあるので、気になる場合は、ホームページや電話で確認してから行くことをオススメします。
天台宗信濃五山
顕光寺(長野市)、善光寺(長野市)、更科八幡神宮寺(千曲市、廃寺)、津金寺(佐久郡立科町)、光前寺(駒ヶ根市)
光前寺のヒカリゴケが見れる時期
光前寺では4月中旬から10月下旬にかけて見ることができます。
11月から4月初めにかけては冬枯れしており、光る姿は見られないので気を付けてください。
光前寺のヒカリゴケが見れる時間と拝観料金
光前寺の営業時間(開門・閉門時間)に準じます。
・境内拝観時間:8時から17時 ※冬期は16時まで
・庭園拝観時間:9時から16時30分 ※冬期は16時まで
・拝観料:無料(境内)
注意点としてはヒカリゴケは曇り・雨天の時と晴天時では光り方が異なるようです。
長野善光寺からの地図と位置関係
これらの3つの地点は主に高速道路が整備されていますので、山中に位置しながら比較的、容易くアクセスすることが可能です。
光前寺の境内の見どころ
宝物殿・庭園
料金:大人500円 小学生300円 未就学児無料
※庭園拝観の小学生以上には、煎茶と落雁の接待付き。
※庭園は、年末年始・春季例祭などの拝観休止日あり。
光前寺へのアクセス
善光寺から光前寺へのアクセス
光前寺は、公共交通機関を利用するとなるとやや不便な場所にありますが、インターチェンジから3分という近さなので、特に名古屋、大阪方面から車でお出かけの方は、善光寺の帰りに立ち寄ることも十分可能です。
電車の場合は3時間以上かかる道のりも車なら2時間です。
ただ、拝観時間が限られているので、時間に余裕をもって移動してください。
善光寺から光前寺まで
善光寺周辺の駐車場から長野インターまで:約10km、30分
長野インターから駒ケ根インターまで
(上信越自動車道、長野自動車道、中央自動車道):約120km、1時間20分
駒ヶ根インターから光前寺駐車場まで:約2km、3分
善光寺の最寄りインターである「長野インター」から高速道路で南下しながら千曲市、松本市などを抜け、駒ヶ根インターで降りると、3分で光前寺に到着します。駐車場は周囲に3か所あり、いずれも無料です。
JR飯田線駒ヶ根駅から:バスで9分「切石公園下」バス停下車、徒歩10分。
駒ヶ根ICから:車で3分
長野善光寺から光前寺までの所要時間と距離
- 所要時間:1時間47分(車)
- 距離:146Km
光前寺のお問い合わせ先
・住所:長野県駒ヶ根市赤穂29
・ホームページ:http://www.kozenji.or.jp/index.html#engi