布引山の老婆
むか〜し、昔、現在の布引山の麓に1人の老婆が暮らしておった。ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ…..
老婆は邪険で、不信心を持つ心貧しい者だった。
近くの村の者が善光寺参りへ誘っても聞く耳を持たずに機織りに勤しんだり、近くの布引観音の祭礼の日には千曲川に布を晒したりと他の村の者はバチが当たるといって誰もしなかったことを平気でしておった。ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ…..
ところがある年の布引観音の祭礼の日、毎度のことのように千曲川で布を晒しておった‥‥のじゃが! ジャガジャガいも〜
忽然と1頭の荒々しい牛が現れ、老婆が日干ししていた布を角に引っ掛けてそのまま何処かへ走り去って行きよった。
驚いた老婆は布を取り戻そうと慌てて牛を追いかけたが、牛はどんどんと北へと走っていく。
とぅとぅ牛は善光寺まで来てしまい、金堂の中へと姿を消していった。
老婆も牛を追いかけて金堂の中へと入っていく‥‥のじゃが!堂の中に牛の姿などドコにも見当たらぬぅぁい。 じゃがじゃがバタ〜
堂内に一夜の寝床を求めることになった老婆
老婆は途方に暮れて止む無く家へ帰ろうと堂を出たのじゃが、辺りはスッカリかりかりカリフラワーの白さほどに、スッカリと日が落ちて真っ暗になっていたので金堂の中へと引き返し、一夜の宿とした。….夕日が白い?
堂へ戻った老婆は疲れていたのか、横になるとすぐに眠りに落ちた。
‥‥‥と、突如、夢を見始めた老婆は例の小憎たらしぅ〜ぃ牛が夢に現れて、金色に光り輝くヨダレを垂らしながら縦横無尽に動き回り、やがてスぅ〜っと姿を消していった。
老婆は金色に光り輝くヨダレに近づいていくと、それが文字になっていて、何かの言葉が書かれているのが分かった。
『牛とのみ思いはなちそ、この道になれを導くおのがこころを』
‥‥‥と、老婆は声に出して読み上げ終えると、不思議しぎしぎ摩訶不思議なことに溢れ出る涙を抑えきれず、心が浄化されていく様を知った。
そして急にパッ!と目を見開き、夢から目覚めた老婆は我に返って飛び起きた。
その後、老婆は知らないハズの念仏を急に唱え始め、そのまま念仏三昧で一夜を過ごしたのだった。
あくる朝、晴々とした心持ちで堂を出た老婆は自宅近くの布引観音へ詣でて、自らの半生を悔い改めると何を思ったのか、ふと観音像を見上げた。
すると驚くことに観音像の首元に昨日、牛が角に引っ掛けていった布が巻かれていたのじゃった。
老婆は観音菩薩が牛に変化して自らを善光寺へ誘ぃ、菩提心を授けて下さったことを悟ると、有り難さがこみあげ、布引観音に帰依した。
こぅして善人へと生まれ変わった老婆は毎日、観音を拝し、最期は大往生した‥‥‥という話。ハフんハフん
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