【過去に善光寺で行われた御開帳📖の歴史(年表)】江戸時代の善光寺では日常的に御開帳が行われていた⁉️

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江戸時代の善光寺では日常的に御開帳が行われていた?

江戸時代の長野善光寺では、現在の7年毎の御開帳(居開帳/いがいちょう)とは別に「御開帳」が毎日、開催されていたと云われる。

この事実は日向国は延岡(のべおか)の修験者である、野田泉光院(のだ せんこういん)の約6年2ヶ月にわたる旅日記となる「日本九峰修行日記」に記されていた事実を以って明らかにされた。

日記の内容によれば1816年(文化13年)5月、毎朝卯の上刻(午前5時頃)から始まる勤行(現在のお朝事に相当)の間、高さ一尺くらいの金泥の阿弥陀三尊画像を掛け、当時の善光寺ではこれを「御開帳」と呼びならわしていたとのこと。

つまり、現在の前立ち本尊をお披露目する御開帳とは異質のものにはなるが、当時の善光寺はこれを御開帳と呼びならわしていたとされる。

御開帳には期間があった!

上記、御開帳はどうやら365日連日のように執行したのではなく、どうやら期間を限定して実施したようで、その期間というのも夏場に限定されていた。

当時の御開帳期間は4月8日から7月7日までの夏場に限定され、朝と昼の1日合計2回、執行されてい‥申した。




過去に善光寺で行われた御開帳(居開帳)の歴史(年表)

善光寺に残る記録では御開帳は1730年(享保15年)に最初に開催されたと云われ、以後、現在のような7年周期ではなく、不定期に開催されてい‥‥‥申す。ダヒャっ

以下は善光寺に残された記録を掲載したもの。

江戸時代

開催年 開催期間 開催された日(理由など)
1730年(享保十五年) 4月10日から4月16日まで 常念仏二万日
1742年(寛保二年) 1月29日から3月14日まで 三都開帳が終了
1745年(延享二年) 3月15日から5月15日まで 本堂修復成就
1759年(宝暦九年) 3月19日から4月15日まで 経蔵の落慶記念
1762年(宝暦十二年) 4月15日から閏4月14日まで 常念仏三万日
1773年(安永二年) 3月25日から閏3月29日まで 常念仏三万五千日
1785年(天明五年) 3月15日から4月15日まで 常念仏四万日
1791年(寛政三年) 3月10日から4月30日まで 本堂、山門、経蔵、仁王門、修復落慶記念
1799年(寛政十一年) 3月1日から4月30日まで 常念仏四万五千日、回国開帳が終了
1804年(文化元年) 3月10日から4月29日まで 出開帳が終了
1811年(文化八年) 閏3月1日から4月29日まで 常念仏五万日、出開帳が終了
1821年(文政四年) 3月1日から4月20日まで 常念仏五万五千日
1832年(天保三年) 3月10日から4月29日まで 常念仏六万日、本堂屋根修復落慶記念
1840年(天保十一年) 3月10日から4月29日まで 本堂屋根修復記念
1847年(弘化四年) 3月10日〜(※3月24日地震で中断す) 常念仏六万五千日
1865年(元治二年) 2月7日から3月8日まで 常念仏七万日、仁王門落慶記念

幕末以後、平成25年(2013年)の出開帳は例外として、廃絶してい‥‥‥申す。ハイジェっ(”廃絶”を表現)

明治時代

開催年 開催期間 開催された日(理由など)
1872年(明治五年) 4月10日から5月29日まで 明治4年の長野県庁が善光寺大門町から西方寺内への新築移転記念
1877年(明治十年) 4月10日から5月29日まで
1882年(明治十五年) 4月10日から5月29日まで
1888年(明治二十一年) 4月10日から5月29日まで
1894年(明治二十七年) 4月1日から5月30日まで 明治26年の信越線全線開通記念
1900年(明治三十三年) 4月1日から5月20日まで 明治31年の茂管発電所送電開始記念
1906年(明治三十九年) 4月1日から5月20日まで 忠霊殿建立記念
1912年(明治四十五年) 4月1日から5月20日まで 明治45年の中央本線全線開通記念

明治15年より御開帳は「子(ね)」と「午(うま)」の年に開催されることになる。

大正時代

開催年 開催期間 開催された日(理由など)
1918年(大正七年) 4月1日から5月20日まで 参詣者55万人
1924年(大正十三年) 3月20日から5月20日まで

昭和時代

開催年 開催期間 開催された日(理由など)
1930年(昭和五年) 3月20日から5月20日まで 本堂他修理落慶記念
1936年(昭和十一年) 3月20日から5月20日まで 長野駅舎落成記念、2.26事件の供養
1942年(昭和十七年) 3月20日から5月20日まで 戦争のため開帳無期延期が決定

昭和30年より、御開帳は「丑(うし)」と「未(ひつじ)」の年に本堂のみで開催されるようになった。




平成時代

開催年 開催期間 開催された日(理由など)
1997年(平成九年) 4月6日から5月31日まで
2003年(平成十五年) 4月6日から5月31日まで 同時期に山梨県甲府市の善光寺(甲斐善光寺)、長野県飯田市の元善光寺、愛知県稲沢市祖父江の善光寺東海別院の四善光寺同時開帳を実施。628万人が訪れた。
2009年(平成二十一年) 4月5日から5月31日まで 上記6年前の四善光寺に加え、岐阜県岐阜市の岐阜善光寺、岐阜県関市の関善光寺を加えた史上初の「六善光寺」同時開帳を実施。過去最高の673万人が来訪す。
2013年(平成二十五年) 4月27日から5月19日まで 「東日本大震災復興支援」を目的とし、「復幸支縁」と銘打って長らく廃絶にあった「出開帳」を両国の回向院にて開催す。
2015年(平成二十七年) 4月5日から5月31日まで ほぼ同時期に善光寺如来の分身仏を奉斎する26にて同時開帳を実施す。
この年より参拝券の購入はSuica等交通系ICカードによる決済が可能になった。
2022年(令和四年) 4月3日から6月29日まで(予定) 本来は2021年(令和3年)に開催予定だったが新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け1年延期開催となった。
また例外的に感染拡大防止の混雑緩和処置として開催期間も1ヶ月延長され5月29日までの予定を→6月29日までに延期された。

参考:長野市史考、善光寺門前町百年のあゆみ など

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